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   第138回『まちむら興し塾』 2016年12月21日


 
 テーマ 長崎県小値賀島民泊体験記
      ー過疎高齢化の島の取り組みを体験してー

            
  コメンテーター 
    JTB 総務部 法務チーム 松岡 弘美 さん

    『まちむら興し塾』当日風景・参加者写真
  ◆ 今回の旅の目的 
    ① 小値賀島で民泊を体験し、島の暮らしや文化を体感したい!

    ② 長崎・五島列島のキリスト教関連遺産を巡りたい!

  ◆ 小値賀島へ行きたいと思ったきっかけは
     2008年のJTB交流文化賞で「NPO法人おぢかアイラン
    ドツーリズム協会」の
取り組みが最優秀賞を取ったことを知り、
    内容を見ていたら、興味がわき、行ってみたいと思い、計画。
   詳細
  
 第4回JTB交流文化賞 最優秀賞
  「小さな離島の未来への挑戦!」
 
  ◆ NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会について
  ● 観光を通して島の課題を解決するソーシャルエンタープライズ。

  ● 小値賀のワンストップ窓口として観光案内から自然体験、民泊、
    古民家事業など、

  ● 小値賀島の観光を総合的にプロデュースしている。  

  【沿革】
    ・「小値賀町観光協会」「ながさき・島の自然学校」「おぢかアイ
    ランドツーリズム 推進協議会」の3つの団体を統合し、法人化。

   ・平成19年にNPOの認可ょ取得、
   「NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会」として活動を始める。

   【主な業務内容】
   ・島旅コンシェルジュ
  (島の観光案内、相談窓口)

 ・民泊事務局
 ・古民家事業運営
  (古民家ステイ、古民家レストラン等)

  ・自然体験事業    

  *公式ホームページ:「おぢか島旅」
  民泊受入民家の玄関に
      掛かる登録証
   ◆ 旅の日程
    11月20日(日)~23日(祝)の3泊4日の行程で旅行を計画
  ◆ 民泊の予約 


    1日目から2日目にかけて小値賀島で滞在することにし、宿泊
    先の アレンジと現地での過ごし方について、島の観光の窓口をし
    ているNPO法人おぢかアイランドツーリズム協会に相談

                 
     ◇ 宿泊先は山田家への民泊で決定。

       *宿泊料金は1泊2食付で一人8,000円(税別)

     ◇ 現地でのアクティビティは魚釣り体験をすることで予約。

小値賀島のプロフィール
   ・小値賀島誕生と資源
     海底火山の噴火で誕生し、なだらかな地形とミネラル豊富な赤土に恵
   まれ、名産の落花生、お米やサツマイモなど農産物が盛んに栽培され、
   島を囲む東シナ海はブリやイサキ、イカなど魚介類が豊かです。


  ・場  所:
九州本土から西へ約50㎞、長崎県五島列島の北端 

  ・面  積 12.22k㎡ 

  ・アクセス:佐世保港より高速船で約1時間45分 
        博多港よりフェリーで約4時間40分 

  ・人  口:約2,85人 (2016121日現在)

  ・主な産業:漁業、農業、観光業

   ・民泊受入家庭数 50軒 受入人数160人 2016年11月
   高齢化が進み、受入を辞退する家庭も出始め、受け入れ家庭の確保
   が課題となっています。

  ◆ 民泊受入のきっかけは?

    アメリカの民間教育団体PTP(ピープル・トゥ・ピープル)が
    あり、毎年、世界の人々との交流を目的に、高校生や中学生を対象
    とした教育プログラムを世界各国で展開している。

     観光庁、長崎県の誘致活動が実り、このプログラムが2008年
    に小値賀島で開催され、そして、世界中を旅した学生からもう一度
    訪れたい場所のアンケートを取った結果、
最も満足度の高かった世
    界一のプログラムとして小値賀・平戸(ひらど)が選ばれた。

    何と、2008年に続き、2009年も2年連続で小値賀が選ばれた。

    その結果が、アメリカの新聞に報道されたことが、逆に日本でニュ
    ースとして伝わり、小値賀島が一躍、注目され、民泊受入のきっか
    けとなった。


  ◎ PTPに関する長崎県のHP
    ⇒ 
http://www.news2u.net/releases/44163
  ◆ 民泊受入の経過
   2009年民泊の受入がスタート。今では受入家庭が約50軒に
    増えた。

    初年度は集客数約6,000人泊、総収入約6,000万円、翌年度は
    集客数約8,000人泊、総収入約1億円(IT協会の管理・コーデ
    ィネート料は30%)となり、IT協会は設立2年目から、行政から
    の運営補助金は一切受けず自立経営を確立した。
 
「おぢか島旅」のホームページより転載 
 
「おぢか島旅」のホームページより転載 
 ◆ 旅の行程 1日目
                                                     16:10発   17:55着
   11月20日 東京-長崎空港-佐世保港(高速船)-小値賀島
 
     あわただしい時間にも関わらず 小値賀港には、山田さんが笑顔
  でお迎えにきてくれました。
  ◇ 山田家の紹介
    山田家は70代前後のご夫婦でお二人暮らしのご家庭。
    別棟に長男一家が住んでいて、孫が遊びに来ると賑やかになる。

    民泊受入はもう9年目とのことですが、まだ試行錯誤とのこと。

    東京や神奈川からのお客様が多く、アメリカの高校生を受け入れ
    たこともある。

    さまざまな人と交流できるのが 楽しい、と話されていました。
     山田家全景
  山田家に到着すると、荷物を部屋に置き、早速、夕食となりました。
  夕食は押し寿司と稲荷寿司
 海苔巻きの他、地元の魚介
 ・野菜のお母さんの手料理
  の数々を満喫。

 ごちそう様でした。
  ◆ 旅の行程2日目 11月21日(月)  
  午前中 魚釣り体験

   釣り場はすぐ近くの、波止場。

  早速、挑戦。

  釣りの経験はほとんどなかったのですが、やる気マンマン。

  心配は全く、ウソのよう。

  入れ食い状態で、小ぶりながら鰺が次々と掛かる。
  たちまち、20匹くらいを釣り上げた。
   釣りが、こんなに面白いことを実感。

  釣果を意気揚々と、山田さん宅に持つ帰る。

   
 釣り糸を垂れ、待つ間もなく
入れ食い
 プロ級の腕前だ
  昼食 もちろん鰺料理
   
大 漁  ほどよく揚がった 鰺の素揚げ

    お母さんが、手際よく、鰺をさばき、魚の旨みがじっくり味わえる
  ように、ころもはほとんどつけず、素揚げに!

  とても、新鮮(当たり前)、骨までおいしく頂きました

  満足な昼食の後は、島内観光です。

        
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  【島内観光】
   島内観光① 斑(まだら)島

  小値賀島の西隣に位置する人口218人の島。小値賀島と斑島の間の150
  ㍍の海峡は斑大橋があり]、小値賀港からバスも運行されている。

  幾つかの遺跡も点在。25千年前の旧石器が出土したオオサコ遺跡
  縄文時代の玉石鼻遺跡、目崎遺跡などがある

    島の北東端の玉石鼻には国の天然記念物指定の斑島玉石甌穴(まだら
  じまたまいしおうけつ)「ポットホール」と呼ばれる溶岩の地形に波の
  作用で作られた甌穴がある。甌穴の中には直径50㎝の玉石がある。

  この甌穴の大きさは世界2位、日本国内では最大とも言われている。

  海を臨む平原に
 白い鳥居がひとつ
 立っているのが
 印象的。
    ポットホール。

 国の天然記念物に指定さ
 れており、世界第2位の
 規模。
 島内観光② 黒島園地

  黒島は、小値賀島の南に位置し、面積0.2平方km、周囲3kmの島。

 小値賀島の笛吹郷と金比羅大橋で結ばれ
金比羅大橋からは小値賀港を一
 望できる。

 黒島は、岩場と絶壁で囲まれている。
 「黒島園地」は、黒島の集落を抜け、東側の坂道を登り、鳥居をくぐり、
 石垣の構造物を見上げると、展望台です

  展望台からは、小値賀島の小値賀港や野崎島を一望できる。

   
 石垣の上が展望台  展望台から小値賀港と野崎島を臨む
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 島内観光③ 長崎鼻・小値賀空港・地ノ神島神社
  ◆ 長崎鼻   牛たちの放牧地。

  小値賀は牧牛が盛んで、
  島のあちこちでこのよ
  うな光景が見られます。
  ◆ 小値賀空港   現在は空港としては使用
  されていない
 
  ◆ 地ノ神島神社(ちのこうしまじんじゃ)
     小値賀島の地ノ神島神社は、現在、小値賀島と博多港を結ぶフェリー
   の航路にもなっている湾を隔て、前方に野崎島を一望できる神社。

    遣唐使船団の航路にあり、大宝 2 (702)遣唐使船団の航海の安
   全祈願のために創建。続き、慶雲 元年(704)には対岸の野崎島に沖ノ
   神島神社が分祀された
 
 地ノ神島神社より野崎島を臨む  地ノ神島神社本殿
 島内観光④ 牛の塔・町の集落の様子
  ◆ 牛の塔   もともと2つに分かれた
  小値賀島を鎌倉時代に、
  2つの島の間の狭い海の
  埋め立て工事が行われた
  際に、犠牲になった牛を
  祀ったのが牛の塔
 
 
   
 小値賀島の街並み
人通りは少なく、懐かしい空気が流れる
   
 ◆ 旅の行程2日目 11月21日(月)夕方 小値賀島とお別れ
    大変すばらしい山田さんと
 の出会いとたくさんの思い
 出を胸に小値賀島とお別れ
 です。

 今回は、日程の都合で1泊
 となりましたが、
 
 再訪できたら
   2泊してみたい。
  高速船 ありかわ2号
 ●  小値賀島の民泊で感じたこと


  ・
島にはコンビニも娯楽も何もない。

   そんな島の日常を体験することが非日常の素晴らしい経験になる。

  ・決してボランティアではなく、島にお金がきちんと入って循環す
   る仕組みが
作られている。
   受入側も訪問客も両方が満足してハッピーに!

  ・一方、深刻な過疎高齢化を食い止めるのに有効な取り組みかどう
   かは
不透明。長期的視点で見ていく必要がある。

 
 ● 参照資料 おぢか島旅 http://ojikajima.jp/
  
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 『まちむら興し塾』・参加者・二次会
今回2016年最後の『まちむら興し塾』
前列左から 清水さん、吉田さん、佐藤さん、朝山さん、高野さん、
松岡さん、長坂は
 
後列左から、金谷さん、佐藤さん、樋口さん、松井さん、上松さん、石井さん
体験談を熱心に聞き入る皆さん 
 
 コメンターター 松岡さん
   
 樋口さん、松岡さん   1年生トリオ
  吉田さん、朝山さん、佐藤さん
   
 石井さん、松井さん  2年生トリオ
清水さん、金谷さん、高野さん
二次会・忘年会
忘年会 今年最後、盛りあがりました。
いつものように和気あいあい・

学生の皆さんの会費はいつも学割 今回は2年生千円、1年生500円 
 
佐藤さん、高野さん、吉田さん、松井さん、長坂 
   
 清水さん、佐藤さん、樋口さん
佐藤さん
 佐藤さん、上松さん、金谷さん、
 朝山さん
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お問い合せ・会員お申し込み

『まちむら興し塾』事務局
 TEL 047-330-4421
 FAX 047-344-1993
 E-mail: ls-plan@lapis.plala.or.jp